人の身体が成長し、いずれは老(お)いるように、会社に入ると精神もまた成長し、老(お)いていきます。時々入社した途端、老いっぱなしの人も中にはいます。以下は社会人の、典型的な精神状態の推移です。ちなみにこのファイルは、管理人の独断で書いています。
▼第一段階
学校を卒業し、希望に燃えて入社。見るもの聞くものが全て珍しく、やる気に満ちており吸収力も早い。人の嫌がることでも積極的に買って出て、家に帰ってからも明日の仕事のことを考えます。
何事にも一生懸命で、実績も少しずつではあるが上がり始めます。仕事自体が面白くて、社内での人間関係も広がっていき、自分のお客もだんだんと増えていきます。
▼第二段階
ある程度仕事を覚え、しないと怒られることと、しなくてもいいことの区別がつくようになります。面倒くさいことは極力避け、人にやらせるように、巧みに持っていきます。また、他人の悪口・陰口に積極的に参加するようにもなります。
自己防衛するために嘘をつくことを覚え始めます。仕事はある程度の段階まで努力したら、もうそれ以上の努力はしません。要領と手抜きの紙一重のラインを正確に見極めるようになります。
▼第三段階
自分よりも新人の者が、自分より実績がいいと妬(ねた)ましく感じるようになり、ちょっとしたことを見つけては悪評が立つように悪口を言って歩きます。人のことを上司に言いつけることが多くなります。
明らかに自分のミスでも、うまい具合に話を作り変えて自分を正当化出来るようになります。ついでに、気に食わない奴に責任転嫁します。
仕事上のことで口論になった場合、自分がつじつまが合わないことを言っていると自覚しているにも関わらず、勢いで押し切って勝利をものにします。切り札の決めゼリフは「うるさい!」と「そんなことは関係ない!」。
同僚とは表面上では仲良く付き合っていますが、裏では陰口悪口の言い放題です。
▼第四段階
「目が覚めたら出勤時刻ちょうどだった」、ということがあっても何ら心が動じることがありません。とりあえず会社に電話して「すいません、寝過ごしましたのでちょっと遅刻します。」と伝えておいてから二度寝に入ります。
二時間遅刻しても「おはようございます。」と、さわやかに出勤し、貫禄さえも感じさせます。どっしりと構えていて落ち着いています。後輩からは別の意味で尊敬されるようになります。
「進退問題について考えてる」と「次のボーナスもらったら辞める」が口癖になります。その割にはそう言いながら5年も6年も出勤し続けています。
他にありがちなセリフとして「俺がいなくなったら困る?」「まあ、もう、どうでもいいけど」「やる気ないしぃ」「こんなことはやっとられんよ」などがあります。
▼末期
深夜、気に入らない奴の「家の方」の電話に、いたずら電話をかけるようになります。相手が出たらもちろん無言で切ります。
他人のミスを見ると鬼の首を取ったように狂気乱舞し、スキップしながら人に言って歩きます。
会社につくと昼飯のことだけを考えるようになります。昼飯を食ったら帰ることだけを考えるようになります。
怒られたら翌日は会社を休みます。気に入らないことがあったら就業時間内でも勝手に家に帰ります。
末期状態まで早い人で約半年。